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捻挫の基礎知識

 捻挫とは、関節を捻りもしくは伸ばして関節を構成する組織を損傷した状態をいいます。
 一般的に関節は、2つ以上の骨を靱帯や軟骨などで連結された構成体です。
 靱帯は、関節をしっかり支え、関節の運動方向を誘導する役割があります。また関節軟骨は、関節の潤滑性を高めスムーズな関節運動を可能にし、線維軟骨(半月板など)は、関節の適合性を向上して関節を安定させる働きがあります。
 捻挫を起こすとその靱帯や軟骨を傷つけ、場合によってはその機能を損ないます。従って、捻挫により、関節運動(曲げる、伸ばす、捻るなど)に支障をきたし、関節が不安定となるのです。

 

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 捻挫の基本的症状
 関節により固有の症状がありますが、ここでは全般的に現れる症状について記します。
 腫脹(腫れ)
 捻挫を起こすとほとんどの場合は、関節包靱帯を損傷し、関節包靱帯の内面の滑膜層に炎症が起こるため腫れが発生します。この腫れを起こす成分は、滑膜層より分泌される液状の物質です。この液状の物質が関節包の中に充満すると関節の可動範囲が狭まり、疼痛が発生します。
 通常は、徐々にこの腫れが引いていきますが、初期の処置が不十分だと腫れが慢性化し、関節液の充満による関節軟骨の代謝不全や関節の適合性不良などを原因として関節軟骨の変形を生じることもあります。
 内出血
 損傷の程度によりますが、関節包靱帯やそれを補強する側副靱帯などが部分断裂を起こすと、その部分より出血を生じ、見た目にも青黒く皮下出血斑が広がっているのが確認できます。このような内出血を生じたものでは、しっかり固定しないと関節が動くたびに傷ついた部分の傷口が開き、靱帯の再生を妨げ、関節の修復に時間がかかります。また損傷がひどく断裂範囲が広い場合は一部の靱帯が修復されないまま萎縮して消失(変性)してしまうこともあります。
 運動痛
 捻挫を生じると関節は本来の機能を失い、関節運動時に疼痛が起こります。特に捻挫を生じたときと同じ向きに捻る(もしくは伸ばす)と強い疼痛が起こります。
 圧痛
 捻挫により損傷した靱帯と一致した部分を指などで押すと痛みが起こります。これを圧痛といいます。この圧痛箇所を触診することにより傷めた関節構成組織や部位の特定ができます。
 捻挫の応急処置
 捻挫を起こしたらまず患部を冷やし、安静にしてください。包帯やテーピングテープなどの固定用具があれば患部を動かさないように固定することが大切です。応急処置をしたら、なるべく早く接骨院や整形外科などで診療を受けてください。
 捻挫の基本的経過
 一般的に安静固定が保持できれば約2週間で傷ついた靱帯などが修復されます。受傷後約3週から4週は患部を動かすような無理な運動は控えた方が良いでしょう。修復された靱帯は、瘢痕という組織でしばらくの間補強され数ヶ月後にはほとんど元の組織に回復します。この瘢痕が存在する時期は、捻挫を再発しやすい時期でもあります。瘢痕組織は、捻挫で傷ついた靱帯などから出血した血液が繊維化して固まり、そこに結合組織の線維芽細胞が活躍して瘢痕組織を形成します。瘢痕組織による仮修復後、徐々に靱帯を構成する組織へと変化していくのです。この仮修復時期においては、本来の靱帯が持つ柔軟性や関節支持力よりも劣るため、僅かな外力でも再発しやす い状態にあります。このときに捻挫を繰り返して瘢痕組織を傷つけると、なかなか元の丈夫な組織にもどることができずに慢性化して行くわけです。
 スポーツ選手などは、完全治癒する前に練習や試合に復帰する場合がありますが、専門家による管理下で、テーピングによる補強や回復トレーニングの方法などの指導を受ける必要があります。

 

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Copyright © 2005 秋元 英俊 最終更新日2011年2月1日