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<外反母趾> 基礎知識・改善・メンテナンス情報

 外反母趾による障害を解決するには、外反母趾のことを理解し、自ら適切なメンテナンスを行うことが必要です。
 病院で診察を受けても、適切な治療やアドバイスがあるところと無いところがあり、不安になったりあきらめたりしている方も見られます。
 このページでは、外反母趾のことを理解しながら、自分で対処する方法を学んでいただけるように様々な情報を順次掲載していきたいと思います。

 

 関連ページ
 外反母趾の原因
 外反母趾対策@(靴の影響と対策)

 外反母趾対策A(運動・マッサージ方法)
 外反母趾対策B(装具などによる方法)
 外反母趾テーピング法の解説
 外反母趾施術のご案内

   

 外反母趾の基準
 
外反母趾(Hallux Valgus)とは、足の親指(母趾)が変形して小指側に曲がってしま っている状態をいいます。身体の中心線(正中線)を基準に外側へ曲がっていることを外反というため外反母趾という病名が付けられています。
 外反母趾は、母趾の長軸線と、その母趾と関節している第1中足骨の長軸線とのなす角度(Hallux Valgus Angle:HVA)により判断されます 。正確な計測は、整形外科等の医療機関で行われます。その方法は、過重負荷(足に体重をかけた状態)時のレントゲン撮影にて、そのレントゲン画像を用いて計測します。通常は、その角度が15度以上を外反母趾とよびます。 また、外反母趾に伴う開張足(中足骨どうしの間が扇状に開く変形)の程度を診るために、第1中足骨と第2中足骨間で角度を測る(M1/2角)場合と第1中足骨と第5中足骨の間で測る(M1/5角)場合があります。



女性に多い外反母趾

 

中足骨:足の甲の位置にある骨
母趾側から第1〜第5の5本で構成される


HVA:外反母趾の程度を測る基準
第1中足骨と母趾基節骨の長軸との角度

M1/2角:第1と第2中足骨の長軸の角度
M1/5角:第1と第5中足骨の長軸の角度
どちらも開張足の程度を測る基準

 外反母趾角(HVA)による分類


HVA(外反母趾角)の簡易計測
 正常値   9度から15度
 軽度の外反母趾  15度以上20度未満
 中程度の外反母趾  20度以上40度未満
 重度の外反母趾  40度以上
 

 外反母趾はその母趾の変形のみならず足の横アーチが減少することも重要な要素となります。足の横アーチが減少すると、足の横幅が広がり、 母趾内転筋の緊張が高まって母趾の付け根(MTP関節)や足裏の痛みを起こす原因となります。また、タコやうおの目、内反小指、浮き指(指上げ足)など種々の足のトラブルの原因となります。

 開張足の計測
 
足の横幅の広がりを計測する場合、右写真のように、第1中足骨の縦軸線と第2中足骨の縦軸線の角度(M1/2角)を計測します。また、第1中足骨の縦軸線と第5中足骨の縦軸線を計測して横アーチの広がり(前足部の開張度)を計測する方法もあります。



M1/2角の簡易計測
 

 

 M1/2角正常値  平均正常値9度
 M1/5角正常値  平均正常値25度
※M1/2角のMとは…中足骨を英語でMetatarsusといいその頭文字Mをとって記号としている。
   

 外反母趾の様々なタイプ


1. 単純型(原発性)外反母趾
 
母趾の外反角が正常範囲を超えて外反している状態。先天的あるいは後天的な足部の変形(例えば開張足や外反偏平足など)、あるいは、膠原病など外反母趾を誘発する他の因子の存在が無い単純な外反母趾。
 初期は、症状も現れないことが多く、自分が外反母趾であるとは思っていないケースも見られます。しかし、放置しておくと 疼痛や炎症が起こり、あるいは、外反母趾が進行して足の横アーチが広がり、開張足を生じます。場合によっては、母趾が亜脱臼を起こすこともあります。
 単純型の外反母趾で起こる開張足は、母趾と2趾の間だけが広がるタイプが多く見られます。
 なんとなく母趾が曲がってきたなとか、母趾の付け根などに違和感やこわばり、靴を履いたときの軽い痛みなどを感じたら外反母趾を疑ってください。できるだけ早期の対応が肝心です。
 


単純型外反母趾
ごく軽度な外反母趾
母趾と2趾との間がやや開き外反している

 

 

2. 開張足型外反母趾
 
開張足を誘因として起こる外反母趾です。
 中足骨が指先に向かって扇状に開いている状態を開張足といいます。開張足の場合、前足部の横アーチが減少し、横幅が広がっている ため、靴を履いたときに母趾の付け根(MTP関節)が当たって炎症が起こりやすく、また足裏や足指の筋肉が疲れてくると、横アーチの広がりが増して母趾内転筋の緊張が高まり、それに伴う痛みが起こります。ほとんどの場合 、内反小指も合併 します。(※内反小指:小指が母趾側に曲がった状態。)
 一般的に第1中足骨頭部と第2中足骨頭部の間に痛みがでることが多く、また、浮き指(足指の先が上がり、しっかり地面に設置できにくいタイプ)を合併すると2指、3指の付け根あたりにも痛みやタコ、うおの目などが起こ ります。
 こういったタイプの外反母趾では、痛みを避けるために幅の広い靴や大きめの靴を選ぶ傾向にある人が多いのですが、靴がゆるくなった分だけ横アーチもさらに広がり、どんどん悪化していく悪循環となる場合があります。
 尚、単純型の外反母趾から開張足を二次的に引き起こす場合もあります。 その場合は、母趾と2趾の間だけが開く開張足であることが多く、治療法やメンテナンスに関し、開張足から始まった外反母趾とは区別して考慮すべきと思われます。

 


開張足から外反母趾になった症例
中足骨が全体に扇状に開いている
内反小指も合併している
※赤線は中足骨の位置を示している

右足と比べて左足の母趾・2趾間が開いている
外反母趾により起こった開張足
※赤線は中足骨の位置を示している

開張足と浮き指が進みハンマートゥに
緩い靴やヒールの高い靴を履く人に多い
靴の中で足が前に滑り指先が押し付けられて、
歩行時に指先を使わなくなるとこの様な状態に


3. バニオン型外反母趾
 
外反母趾角(HVA)は、正常範囲内でも母趾の付け根が腫れて相対的に曲がって見える場合があります。これは、母趾の付け根のふくらみ部分(第1中足骨頭部)にある滑液膜(潤滑性の液で満たされた袋状の膜)が靴などの履物に刺激されて炎症を起こした状態(これをバニオンBunion:または腱膜瘤 という)で、はじめは柔らかく手指で押すと移動性がありますが、やがてその炎症が第1中足骨頭部の骨膜に広がり骨化してしまうこともあります。痛みは、母趾の付け根の腫れている部分にあり、またその足底(足裏側)部分にうおの目やタコを生じて疼痛が増す ケースも多く見られます。  厳密には、母趾が外反しているわけではないので、医学的にこれを外反母趾とはいいません。しかし、進行すると母趾の付け根の腫れが増大し、横幅 (横アーチ・足幅)が広がって外反母趾が形成されていきます。

※尚、痛風でも母趾の付け根に炎症が起こるので自己判断せず、医師の診察を必ず受けてください。特に尿酸値の高い方、尿管結石や腎結石の経験がある方は要注意です。

 

 


バニオン型外反母趾
両母趾の付け根が赤く腫れあがっている
角度計で計測しても外反角は正常であった



4. 病変性外反母趾
 
リウマチなどの膠原病や多発性の変形性関節症などの患者に多く見られるタイプ。変形が始まると比較的短期間で進行し、重度の変形を生じる場合が多 く見られます。また、足の2指が脱臼や亜脱臼、4指、5指が内反して重なるなどの変形を生じることもあります。手指や膝、脊椎などにも変形性の関節症が存在し、また骨粗鬆を有する患者も多く 、手術をしても効果が無い、あるいは失敗しやすいといわれています。

※ 病変性外反母趾では、保存的治療(手術をしない治療)による変形の改善は期待できません。
これ以上の変形を抑止することと、外反母趾に伴う変形以外の症状(痛みや胼胝など)をやわらげることを目的として保存療法を行います。



病変性外反母趾
変形の程度も重度に至るケースが多い
他の関節(例えば膝)の変形も併発している
このタイプは、放置すると変形が進行する
   
     

 外反母趾の原因
 
外反母趾の原因は、「靴・仕事・スポーツなどの生活環境」、「遺伝・疾患などの体質や健康状態」、「身体の姿勢異常や歩行バランス異常」などが考えられます。詳細は、外反母趾の原因ページを参照してください。

 外反母趾の治療と対策

1.あれこれ始める前に医師や専門家の診察を受けましょう
 
外反母趾の治療には、手術、装具療法、体操など理学療法、テーピングなどがあります。
 治療方法を選択する上で重要なのは、外反母趾の程度や状態を正しく把握することです。そのためには、整形外科や足の専門外来などの病院や医院で診察をしていただき、医師 や専門家のアドバイスを受けましょう。
 外反母趾の程度が軽度あるいは中程度の中でも比較的軽い場合は、装具や足指体操、テーピング、靴の改善などのメンテナンスを行うことで回復が期待できます。
 中程度以上の比較的進行した外反母趾では、装具やテーピングなど手術以外の方法によるメンテナンスの場合、その角度が現状より僅かに改善されることもありますが、あまり期待はできません。生活条件や症状などの具合により手術を含めた対策を検討する必要があります。手術によるメリットとデメリットなど医師の説明を充分に聞いた上で治療方法を選択しましょう。尚、手術以外の方法を選択する場合は、痛みや歩行バランスなど諸症状の改善と外反母趾の進行予防のためのメンテナンスと考えてください。

2.外反母趾になった原因を考えましょう
 
外反母趾の治療やメンテナンスを行う前に、自分がなぜ外反母趾になったのか、その原因をしっかり把握しなければなりません。
 原因が分からないまま治療などを行っても、その原因が排除されない限り症状の改善は見込めません。また、進行を食い止め予防をするためにも原因の除去が最も大切な対策となります。
 例えば、靴が合わないのがきっかけで外反母趾になったとします。極端な事をいいますと、手術までして治したのに、また合わない靴を履き続ける事で外反母趾は再発してしまうのです。「外反母趾を治して、かわいい靴やかっこいい靴を履いて思いっきりおしゃれをしたい」などと考えて、思い切って手術を受け、せっかく外反母趾を治しても、このような考えでは、再発するのは目に見えています。「外反母趾の再発は、手術をした医師が腕が悪いからだ」と言って、医師にやつあたりしてもその先生がかわいそうです。
 外反母趾を引き起こす原因は様々なので、自己判断だけではとても危険です。明らかにこれが原因だと分かっている場合はともかく、医師やその他の専門家に相談したり、家族など生活を共にしている人の意見を聞くことも大切です。そして、その原因がある程度分かったら正しい対処方法も見えてきます。

3.外反母趾に対する日頃のメンテナンス

@毎日指間パットで指の間を広げてストレッチしましょう。
 窮屈な靴や合わない靴を一日履いたりなどで、足指に負担をかけたときは、特にこのメンテナンスを行ってください。
 時間は約20分から30分ぐらいが目安です。つけっぱなしで長時間放置するのは、痛みや痺れなどの原因となるので、この目安時間を厳守してください。
 詳細は、外反母趾対策Bをご覧下さい。

A外出後に痛みがでたらまずアイシングをしましょう。
 外出中に足指などに負担をかけて炎症を起こしたら、発赤や腫れあるいは痛みの症状が出現します。放置せず、できればアイシングをしてあげてください。アイスパックや保冷剤をタオルやハンカチでくるんで、痛い部分を中心に約15分冷やしてください。アイシングの代わりに冷湿布を貼るのも有効です。

B足指の関節や足裏の筋肉、ふくらはぎやすねの筋肉の疲労を取りましょう。
 指圧やマッサージなどで足や脚部の疲労を取り、こわばった組織をほぐしましょう。
 こわばったり、むくんだりしたまま放置すると歩行バランスがくずれて、外反母趾の悪化の原因となってしまいます。

C包帯やマジックバンドなどで就寝時に横アーチの矯正をしましょう。
 
指間パットの写真で使用しているマジックバンド(青色のバンド)や伸縮性の包帯などで中足部分を締めると外反母趾や開張足などのメンテナンスになります。
 整形外科の青木孝文先生が推奨している方法では、5cm幅の伸縮性包帯で母趾の付け根と小趾の付け根のふくらみから中足(足の甲)の部分にかけてやや強めに4〜5回ほど巻くとの事。あまり強く巻くと痛みや違和感でつらくなるので、強すぎず弱すぎず我慢できる範囲の締め具合を修得する必要があります。
 これを就寝中だけ、毎日行うことで外反母趾などによる諸症状の改善が期待できます。

 


緩んだ中足を締めて指間パットを施行

 

 その他の外反母趾情報

 

 

 外反母趾の原因
 外反母趾対策@(靴の影響と対策)
 外反母趾対策A(運動・マッサージ方法)

 外反母趾対策B(装具などによる方法)

 外反母趾テーピング法の解説
 外反母趾施術のご案内

 

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Copyright © 2005 秋元 英俊 最終更新日2009年6月14日
 

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